
チームビルディングとは? What is team building ?
更新日:2020年2月20日
1.そもそもチームビルディングとは?
「チームビルディング」とは、多数の人によって構成されたチームが、一つのゴールに向かって生産性高く活動できるように関係性を高めていく手法またはそのプロセスのことを言います。類似している言葉に、「チームワーク」というものありますが、チームワークは、チームの活動そのものを指しているもので、チームビルディングは、チームワークをより機能させる(=生産性を高める)ことを意味します。

2.なぜチームビルディングが必要なのか?「共同体」から「機能体」へ
チームビルディングの必要性について語る前に、組織には2種類の形態があるのをご存知でしょうか?
ドイツの社会学者フェルディナンド・テンニースによると組織には「共同体」と「機能体」が存在すると言われています。
「共同体」とは、所属するメンバーが居心地よく過ごせる場所、コミュニティのようなものを指します。大学のサークルや、特定のコミュニティのオフ会などが「共同体」に該当します。「共同体」においては、メンバーが平等に扱われること、趣味や興味関心ごとが扱われることが重要視されます。
一方で、「機能体」は、何か目的や目標を達成するために存在する”チーム”であり、オリンピックに出るような団体スポーツや、有事に備えるための軍隊などが「機能体」に該当します。「機能体」においては、社会的意義のある目的や目標、生産性の高さが重要視されます。
そのため、経営理念の実現や存続するために収益をあげていくことを目的に構成された企業はまさに「機能体」であることが求められると言えます。
そのため、構成された”組織”が「機能体」として活動できる”チーム”へと”意図的に”変化させていくためにチームビルディングという手法が必要とされています。

3.チームビルディングに必要な3つのポイント
1:社会的意義のあるビジョンやゴールを共有する
チームを機能体にするためには、そのチームが存在する意義を明確にし、所属するメンバーがそれに共感していることが何よりも大切です。企業である以上、数値目標も重要ですが、それ以上に「なぜこのチームが存在するのか?」また、「目標を達成することで社会やチームに対してどのような意味があるのか?」などの動機付けがチームの生産性に大きな影響をもたらします。
2:適材適所を機能させるために多様性を理解する
チームのパフォーマンスを最大化させるためには、所属するメンバーが活躍できる役割を見つけること、つまり適材適所を機能させることが重要です。そのためには、所属するメンバーの強みや価値観(何を大切にしているのか?)ということを理解しあうことが必要になります。強みを理解することで、その人の得意分野が分かり、価値観を理解することで、その人がモチベーション高く活動できる分野が分かります。
3:本音を言い合える関係性づくり(「心理的安全性」)
近年において、「チームの心理的安全性」がチームの生産性を高めていくうえで注目されるようになりました。Googleが大規模の労働改革を目的に立ち上げたプロジェクトアリストテレスが4年以上の歳月をかけた研究結果によると、生産性の高いチームには「心理的安全性」が存在していることが発見されました。
「心理的安全性」によって、新しいアイデアが出やすくなったり、お互いに対して率直なフィードバックをすることができるようになり、チームの生産性に大きく影響するということです。
余談ですが、リーダーシッププログラムとして私たちのアクティビティを導入していただいているGoogleでは、リーダーに求められる要素として「Mutual respect(相互尊敬)」と「Feedback(フィードバック力)」と定義しています。お互いの多様性について敬意を払い、ただプロセスに間違いを感じた時は適切にフィードバックができる人をリーダーと定義しています。
生産性の高いチームには、尊敬しあっているからこそ、本音を言い合える関係性が必要だということです。